フィンガーボウルの話のつづき


フィンガーボウルの話のつづき

フィンガーボウルの話のつづき


クラフト・エヴィング商會の物語作家、吉田篤弘の小説。
つむじ風食堂の夜」より前に発表された作品です。
連作短編小説。
こっ、このおもしろさは一体……。
ビートルズの「ホワイトアルバム」を下敷きにして、とある小説家の謎を解いていく話なんですが、そもそも、謎がなんなのか、よくわからない。話が一直線に進むわけでもないし。
でも謎なんて解けなくてもいっこうに構わないのです。

「つむじ風」のほうは、ハートフル食堂ってかんじですが、こっちは笑える。
閑人(ひまじん)だけがより集まる「閑人カフェ」とか爆笑なんですが。笑うところじゃないの? 

吉田篤弘の作風として、だんだん抽象度が高まっていく印象があるのですが、これはとてもとっつきやすいですね。