2022年に読んで面白かった本

みなさまこんばんは。年の瀬いかがお過ごしでしょうか。

2022年はわりとたくさん本が読めた気がします。まあ全盛期には遠く及ばないですが。意味ワカラン量読んでたからね、わたしはなぜあんなに読めたし書けたのだ?若さ?うっ……この話はやめよう

今年は電子端末FIREを導入したのが大きかった、セールで安かったの。通勤で読みやすいんですよ!! 以前、DMMブックス70%オフキャンペーンで購入した100冊は、残り30冊くらいになりました。偉い。ちゃんと読んでて偉い。

今年は幸運にも、たくさん面白い作品に出会えました。書ききれないかもしれない~

 

・「三体Ⅲ」劉 慈欣

www.hayakawa-online.co.j

やっと読めた三体Ⅲ、年始から最高の気分でした。Ⅱでもそうだったけど、読者の期待や予想を結構裏切ってくる容赦のない展開好きです。この超ドデカスケールの世界観で素朴な片想いをやるの本当にロマンしかない。番外編?スピンオフ?出てたので早速買いましたよ~ 個人的には特にⅡが好きですが、全部面白かった…

 

・「エンダーのゲーム」オースン・スコット・カードwww.hayakawa-online.co.jp

この作品有名なのでご存じの方も多いかもしれないですが私、全然知らなくてですね~、DMMブックス割引キャンペーンのときにとりあえずネットでおすすめを調べてヒットしたSF小説を片端からカートにぶちこんでいったんですよ。その中のひとつだったんです。タイトルは知ってたんだけど内容知らなくて…いや…教えてよこんなに面白いなんて!!!

 もちろんSFとしても超絶面白いんですがなにより少年少女の青春文学としても素晴らしくてですね。幼いきょうだいのやりとりを見ていると、あまりにも洒脱というか、頭がクラクラしてくる。ピーナッツコミック(スヌーピーの漫画のやつね)の、ルーシーとライナスの会話を思い出して、後編に特に夢中になりました。そして結末が本当にたまらないものがあってですね。重厚SF大作!っぽくないし、気楽に読める雰囲気なのもいいですね。正直今年一番おもしろかったかな~ いや、今年一番おもしろかった作品はいくつもありますけど。一番がたくさんあってもいいじゃない……。

 

・「不思議の国の少女たち」ショーニン・マグワイア

www.tsogen.co.jp

www.tsogen.co.jp

図書館でたまたま手にとって出会った三部作で、特に「トランクの中に行った双子」が私の脳のツボというツボを全部抑えていて、作者様は私のために書いたとしか思えない作品で最高の助でございました。もともと魔法少女が大人になった話とかを創作小説で書いている身なので、この作品を好きにならないはずがないのだった……。

 かつて異世界に行った「特別な少女」たちが、特別ではない現実の世界に帰ってきてからの通う学園の話です。ほとんどの生徒が女の子ですが、男の子もいるのが良いです。

「トランクの中に~」は二作目でして、「不思議の国の少女たち」に脇役で出てくるジャック&ジルという女の子の双子を主役に据えています。ジャックとジル、ひさびさに、ほんとうに久々に大好きになった双子キャラクターです。創作物を見たり読んだりしていて仲悪い姉妹が出てくると、「作者はわかってる!!そうなんだよ!!姉妹ってね!!仲悪いんだよ!!!」と理解者を得たように嬉しくなります。私が……そうなので……。個人の感想すぎる。

 

・「同志少女よ、敵を撃て」逢坂 冬馬

www.hayakawa-online.co.jp

これはもうさすがにみんな知ってる作品だと思うし私も評判いいから読むか~と適当に手に取ったのですが、後半クライマックスに差し掛かる頃にはすっかりやられました。私は約一年前にスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの「戦争は女の顔をしていない」を読んでいたので、それを踏まえていたためより細部まで楽しめました。でも、この小説については中身を何も知らずに読んでほしいのである。この作品は〇〇で〇〇と〇〇がマジやばい……と叫びたい、知ってて読んでも面白いと思うけど知らないで読むともっと素敵です。すべての些事を脇において、頼む今すぐ読んでくれ!!!

 

・「星へ行く船新井素子

www.spng.jp

これもDMMブックスで割引で買ったんですが!が!! キャラクター小説として楽しく読んでいたのですが、5巻でいきなり超・怒涛の急展開になって、これだからやめられないんだSF読むのはよぉ~っ!となった。なんだこの話は…!?!? SFの驚きとロマンが詰まっている……。

新井素子さんの作品、暗いやつしか読んだことなくて、今回こんなに少年少女向け(どっちかというと女の子向けですが…)正統派SFもあるのかと、発見でした。なんと40年前くらいの作品なので、男女の書き方なんかは当時の価値観を感じるものなんですが、懐かしさのある未来の話という大変エモーショナルな体験ができる作品で、最後の方を読んでいる頃は、街を歩くだけで幸せな気持ちになれました。太一郎さんのキャラクターというか人物造形がとてもよかったです。

 

・「彼女の思い出/逆さまの森」J・D・サリンジャー

www.shinchosha.co.jp

まさか2022年にサリンジャーの「新刊」が読めるとは……。ちょうど、「謎ときサリンジャー」という評論本も今年読んでいて、作品ちゃんと読み返したいなぁと思っていたところなんです。まあ、読み返してないんですけどね……(※よくある)(時間が無限にあればいいのに…)(ネットだらだら見るのをやめればいいのでは?)

サリンジャーらしくもあり、またサリンジャーにしてはキツさがなくて凄くすとんと腑に落ちたというか、読んでいてずっと幸せでした。すべての作品がそれぞれ面白くて、でもそれって普段使うフィクションへの褒め言葉「面白い」とは全然別の面白さだと思う、うまく言えないですが、「小説の面白さ」ですよね。私は本当に、小説が好きなんだと思った。あまたある物語の表現方法の一つとしての小説というのではなく、ただ小説が好きなんです。

次がラスト!!!

 

・「ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス」著/ミヒャエル・エンデ  著/ヴィーラント・フロイント  訳/木本 栄  絵/junaida 

www.shogakukan.co.jp

え、まって今年どうなってるんだ……2022年にエンデの新刊読めるとかどうなってるの?マジで?生きててよかった。エンデ書きかけの作品を別の方が続きを書き完成させた、共著的な位置づけの作品ですが実にエンデらしい作品で満足度が1億くらいでした。装丁、紙の質感、挿絵等も完璧であり、電子書籍派になりつつある私でも紙の本を買いました(ちなみに、サリンジャーも。紙の本です)

「モモ」や「はてしない物語」というよりも、どっちかというと、「ジム・ボタン」を思い出しました。ジム・ボタンが好きな方は絶っっ対に読んで下さい、、主人公の男の子と、おじさんのお話です。エンデの書く「おじさん」はたまらないものがありますね。主人公たちと敵対する悪役のおじさんもまた最高でございましたし、お姫様のキャラもメチャクチャかわいい。そして主人公もとにかくかわいい、かわいい子しかいません。児童文学は良いですね。私も原点に帰ったような気分です。

 

久しぶりにたくさん書いたなぁ、ではこのへんで。