ショートカット/柴崎友香


ショートカット (河出文庫)

ショートカット (河出文庫)


芥川賞にノミネートされたことで少し知名度の上がってきた柴崎友香の作品。
『距離』をテーマにした短い作品が四篇収められています。
これは、広義には恋愛小説と呼べるものかもしれません。
私は、そうとは思わなかったのですが。

どれもこれも、とてもおもしろいのだけれど、
表題作の「ショートカット」が本当によかった。
文庫になった柴崎作品は全部読んでいますが、そのなかでも一番好きだと思いました。(二番目は、『青空感傷ツアー』かしら?)

なにもトクベツなことは起こらないのに、読み終えると、街って素晴らしいと思える、道も街路樹も車もビルも橋も素敵だと思える、お話。

いま、私はとてもパリに行きたいのですが、
この小説を読んで、本当にお金をためて行こうと思いました。

(ちなみに、パリとは全然関係のないお話です。)