天体議会




久しぶりに長野まゆみ読みたいなっていう気分だったので読んだらやたら面白くて今さらはまりました。え、今さら? 
「天体議会」は未来都市のような場所で少年ふたりが不思議な自動人形の少年に出会う話です。話といっても、ストーリーが特にないところが好きでした。秋から冬にかけての寒そうな雨とか雪の描写を、電車にのりながら読んでいて、ちょうど雨がざあざあ降っていて、じぶんとリンクして、銅貨と水蓮(主人公ふたり)と同じ場所にいるのではないかと思いました。本ってそういうところが好きです。
「三日月少年漂流記」は「天体議会」のプロローグのような話で、物語の時系列的には「三日月」が先のようです。でも、どちらから読んでも問題ありません。

長野まゆみ作品には徹底して少年しか出てこないのですが(女性も女の子も大人も登場しません。世界観のなかで存在はしているのでしょうが、本編にはいっさい登場しない)その徹底ぶりが素晴らしいです。
さいきんオタク界?では「乙女」なんて言葉がよく出回ってますけど、長野まゆみを愛読してる女の子こそ乙女のような気がしたのでした。