半分の月がのぼる空



重い病気を持つ少女と健康な少年をめぐる対話を丁寧に描いてゆくライトノベル。というか、ライトノベルとかべつに関係なく面白く読めます。
なにゆえ病に伏したヒロインが美少女なのか。べつに単なる少女でもいいやん。やっぱり人は見た目が9割ってこと? ということを考え出したら切りがないのでやめておきます!……もう、それは、ものすごく深い意図があるに違いない。

なんか病気の美少女の話って流行ってるような気がするんですが、だからこそ、結末に関しては既存の作品にない新しいものをつい求めてしまいます。


たとえば、少女の死という結末。
まあ、じゅうぶんに予想されうるわけですが。
または、少女が助かって元気になるという結末(ついでに主人公とも幸せに暮らす)。
まあ、これもハッピーエンドとしては良いですよね。

でも私、それ以外の結末ってなにかないかな、といつも考えるのです。
助からなかったから悲しい、でもなく、助かって幸せになった、でもない結末。
そんな意味で、この作品のいちばん最初に発表された短編は、多く語ることなく締められていて、非常に美しかったです。この短編を越えるような結末が待っているといいな。


※この作品最近完結したみたいなので、ちまちま読もうっと。